Sourvisiae®は、乳酸を発酵中に生成できるようにバイオエンジニアリングされたエール酵母株(Saccharomyces cerevisiae)であり、サワースタイルビールの製造において、簡単で再現性が高く、単一培養による製品を提供します。
Sourvisiae®には食品由来微生物の乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子が1つ導入されており、この遺伝子により高濃度の乳酸を生成することができます。これはサワービール特有の酸味の主成分です。Sourvisiae®を使うことで、発酵と酸味付けを1つのステップで行うことが可能になり、クロスコンタミネーション(交差汚染)のリスクを減らし、コストと製造時間を削減しながら、安定した製品を得ることができます。通常の酵母と同様にピッチングされ、標準的な発酵時間内に発酵を完了します。Brettanomyces、Lachancea、乳酸菌(Lactic Acid Bacteria)に関連する他のフレーバー成分は生成されず、よりクリーンで再現性のあるサワー製造が、短時間で行えます。
【微生物学的特性】
Sourvisiae®酵母は、トップ発酵性のバイオエンジニアリングSaccharomyces cerevisiaeと分類され、市場に出荷される前に厳格な品質検査を通過しています。(ASBCおよびEBC分析法に準拠)
【Sourvisiae® 酵母の典型的な分析値】
固形分:93%〜96%
生きた酵母細胞数:1gあたり5×10⁹個以上
野生酵母:10⁶酵母細胞あたり1個未満
バクテリア:10⁶酵母細胞あたり1個未満
【醸造特性】
ラレマンドの標準条件下(20°Cの麦汁)において、Sourvisiae®酵母は以下のように機能します:
・5日以内に完了する力強い発酵
・中〜高の減糖度とフロック化
・高い酸味とわずかにフルーティーな香味
推奨発酵温度範囲:15°C〜22°C(59°F〜72°F)
※発酵速度、発酵時間、減糖度は、接種密度、酵母の取り扱い、発酵温度、麦汁の栄養状態により変動します。
※乳酸の生成により見かけの減糖度は低くなる可能性がありますが、乳酸の生成ではCO₂は発生しないため、糖度に変化が生じません。したがって、最終比重以上に残糖は少なくなります。
この酵母は非常に酸味のあるビールを生成し、最終的なpHは約3.0、乳酸濃度は8〜15g/Lに達します。活発な発酵は通常5日以内に完了します。
※低pHかつ高酸性の条件のため、再ピッチングは推奨されていません。
【香りと風味】
酸味があり、ややフルーティな味わい。