(加筆:2022.09.20)
コロナウィルスが全世界を席巻していく中、爆速で急進化を遂げてきた充填機器産業。レストランの飲食営業が規制される中、パッケージング商品(瓶、缶、ケグetc)、通信販売、持ち帰りでの販売に活路を見出す飲料メーカーが増えたのは言うまでもなく、クラフトビール業界もその顕著な例と言えるだろう。アメリカのクラフトビールシーンを牽引してきたと言っても過言ではない缶充填機メーカーWild Goose Filling。その代理店として弊社に白羽の矢が立ち地方を据付で飛び回る中、缶充填のノウハウ以上に嫌が応にも培われた知識がある。
それは缶充填機を取り巻く「周辺機器」だ。
- A:空缶を充填機に送るための機器(インフィード、デパレタイザー)
- B:空缶を洗浄する機器(プレリンス)
- C:空缶にあらかじめラベルを巻く、日付を印字をする機器(ラベラー、デートコーダー)
デパレタイザー(Depalletizers)と呼ばれることが多いこの機器だが、空缶を出来るだけ人の手に触れず自動で缶充填ラインに供給するために存在する。人がこの作業を行えば人件費が発生し、空缶を手で触ることによる汚染リスクも高まるためアメリカで発展してきた分野である。早速ラインナップを見てみよう。
Ska Fabricating社製_デパレタイザー「Nimbus」「Microbus」「Can-I-Bus」
【Wild Goose / Evolution Series用】
缶が積み上げられたパレットをそのままデパレの後部より押し込むと、パレットが自動で上昇。積み上げられた缶を各レイアー(層)ごとに上昇させ、最上層の缶をターンテーブルに押し込み、ツイストリンスケージで回転させながら空缶をリンス。その後、Wild Goose FIllingの缶充填機に送り込む。缶がツイストする際、口が丁度下を向いている時に水が噴射され缶の中をリンスする仕組み。リンスされた缶は再びツイストケージの中で回転し直立させられ、充填機に送られていく。日本にも実績多数のキャスター付きタイプのHalf Pint ODは終売となったが、今後はNinbus、Microbus、Can-I-Busが台頭していく。NimbusとMicrobusはハンドフォークに缶パレットを載せたまま後部よりパレットを装填出来る利点があり、Micro Busに至っては使用していない時は回転するロータリーテーブルの部分を折りたたむことでかなりの省スペースとなる。Can-I-Busは前者の二機種よりも大きな背の高いサイズであり、こちらの最大の利点はどんな高さの缶パレットでもそのまま押し込めるという点だ。それぞれの特徴を以下にまとめてみる。また、Ska FabricatingとWild gooseは同じコロラド州のメーカーとなり、缶充填機をWild Goose、周辺機器をSka Fabricatingが担い納入されるケースがアメリカではほとんどだ。日本でも大人気、アメリカでHazy文化を今でも牽引するイーストコーストのOther Hlaf Brewing、ウェストコーストのMonkish BrewingもWild Goose x Ska Fabricatingの組合せである。
- Microbus:サイズ小 / パレット上昇手動&自動 / 缶パレット高制限あり / 移動可能 / $
- Nimbus:サイズ中 / パレット上昇自動 / 缶パレット高制限あり / 移動不可 / $$
- Can-I-Bus:サイズ大 / パレット上昇自動 / 缶パレット高制限なし / 移動不可 / $$$
American Canning社製_ロータリーテーブル「RT-212 Infeed Table」
【Wild Goose / Evolution Series用】
空缶を回転するロータリーテーブルに置くとそのままリンスケージまで空缶を送り出し、空缶が回転することによりリンスされ、そのまま充填機に送られていく構造である。折りたたみ式であり、キャスターも付いているため使わない時は折りたたんで収納出来るのが最大の利点である。Ska製のデパレタイザーに比べると缶をテーブルに置くという作業工程が発生する。
Wild Goose Filling社製_簡易デパレタイザー「Blue Lift & Whale Tail(鯨の尻尾)」
【Wild Goose / Evolution Series用】
まず、Blue Liftのフォーク(刃)を缶の積まれたパレットに差し、手動で持ち上げていく。缶充填機に取付けられた鯨の尻尾さながらの形状をした受け皿の役目をするWhale Tialの高さまで持ち上げ、缶パレットの最上層を手で押しWhale Tailに流し込んでいく。Whale Tailには傾斜があり、Whale Tail上の缶は自動的に缶充填機に吸い込まれていく仕組みだ。空缶をリンスする機能はない。
Wild Goose Filling社製_インフィードオプション「Goose Neck」
【Wild Goose / Gosling用】
ここでGosling(小型缶充填機)向けのインフィードオプションも見てみよう。「グースの首」命名されたこのオプションはまさにガチョウの首さながらの容姿である。反り立った滑り台(首)には約10~13缶を待機させることができ、最後尾に据える重しによって自動で空缶を送り込むことが出来る。空缶の送り込みに人間一人が付きっ切りだったGoslingの問題点を解消し、オペレーターは他の作業をすることが出来るようになる。「こんなものに意味があるのか」と思う人もいるかもしれないが、なるべく作業を流して行うための環境作りが重要なのである。充填作業を一時停止することでタンクのヘッドプレッシャーは徐々に変化し入身に影響を及ぼす。また、ホース内のビールは温まってしまい溶存酸素は増加するなど良いことは一つもない。
その他_インフィードオプション①「コンベアインフィード」
【Wild Goose / Gosling用】
適当なコンベアを無理くり入口につなげるこの方法はDIY好きなGoslingユーザーの間でよく見られる手法だ。後にしっかりと案内をする小田原にあるGosling研修場にもこのコンベアは購入済みである。
その他_インフィードオプション②「ツイストリンスケージ」
【Wild Goose / Gosling用】
豪快にもツイストリンスを搭載した例。やり過ぎではとの意見も聞こえてきそうだが、人件費が高騰の一途を辿る海外では必要な初期投資と捉えるユーザーが大半である。こちらもWild Gooseのヨーロッパのパートナー会社が製造しているが日本向けの手配も可能だ。(まだ実績なし。)
放置された缶の中には虫、ほこり、目には見えないチリが溜まっていくことも珍しくない。そんな時にこのプレリンスオプションは有効だ。Wild Gooseからの自前のプレリンスオプションはGoslingにしかないのだが先述する中で出てきたいくつかの例も含めて一通り選択肢を紹介していく。Made in Japanの缶は比較的納入時は綺麗な場合がほとんどなのだが、パレットに積まれた缶を全て綺麗に使い切ることはない。かならず途中で缶詰めは終わり残った缶にカバーを掛けるなどをする対応が求められる。
Ska Fabricating社製_デパレタイザー「Nimbus」「Microbus」「Can-I-Bus」
【Wild Goose / Evolution Series用】
接続されるEvolution Seriesのノズル数に応じで一度のサイクルでリンス出来る缶の数を変更することが出来る。水の出るタイミングもWild Goose本体の缶の「送り」と連動しているので常に出っぱなしということではなく、1缶1度だけ、必要な時間リンスされるという優れものである。
American Canning社製_ロータリーテーブル「RT-212 Infeed Table」
【Wild Goose / Evolution Series用】
Wild Gooseのノズル数に関係なく、4缶ずつ回転式のケージに送られリンスされていく。アメリカのモバイルカンニングの現場ではこのテーブルとWG-5(5本ノズル)で出張型缶充填している現場もある。バケツに付属の水没式ポンプを入れリンス水を汲み上げるので水道との繋ぎを気にする必要がなく、かなり身軽。
Wild Goose Filling社製_プレリンスオプション「Rinse Package」
【Wild Goose / Gosling用】
Gosling購入の際、オプションで付けることができる。1缶ずつ手で缶をリンスステーションに近づけることでセンサーが反応、缶がある時のみ水が噴射されリンスされる。ちなみにこのオプションは巻き締め後の缶をリンスするポストリンスとセットのためほぼ必須のオプションとも言える。
ビールを充填する前の空缶にラベルを巻いたり、日付をラベル上または缶上に印字するオプションがある。充填前の缶にラベルを巻き付けることは缶が変形してしまい、その後の二重巻締め精度に影響するという意見もあるが、しっかりと設定すれば問題はない。また、プレフィル(充填前)の段階でラベルや日付印字やらを缶に施すということは入身不足や巻き締め不良などで製品にならないような缶にもラベルやインクを使ってしまうことになるので、資材が無駄になる可能性があるということを頭に入れておこう。ラベリングや日付印字の詳しいラインナップはポストフィル(充填後)のオプション説明の際に詳しく見ていこうと思う。ここではもう一点だけ、日付印字を空缶リンス前にする場合の注意点を共有しておこう。缶上に日付印字する場合、以下2点は必須条件である。
- 日付印字した後、2秒間は濡れてはいけない。
- 濡れた缶に日付印字はしてはいけない。
日付印字されてから空缶リンスされるまでには2秒以上のタイムラグが必要であり、また、リンスの際に上がる水しぶきを完全に遮断し印字前の缶に絶対に掛からないようにしなければいけない。この方式(空缶リンス前に日付印字)で缶充填しているブルワリーには何度か行ったことがあるが、どうしても水しぶきが飛んだ濡れた表面に印字してしまい、印字が滲んだ缶をよく目にする。
製品充填前(Pre-Fill)に関しては大方上記の内容で網羅できたであろう。(実はまだまだ色々とあるのだが切りがないので割愛します。もっと踏んで知りたい場合、別途お問合せ下さい。)続いて製品充填後に関してみていこう。こちらも面倒くさがり屋の多いアメリカでは自動化のための設備がてんこ盛りである。製品を充填された「後」に活躍する周辺機器なので、Post-Fill分野と呼ばれ、大きく以下のオプションをここでは検討出来る。
- D:巻き締後の缶を運搬、滞留させる機器(コンベア)
- E:巻き締後の缶にラベルを巻き付ける機器(ラベラー)
- F:巻き締後の缶またはラベルに日付を印字をする機器(デートコーダー)
- G:巻き締後の缶にの重量を測る機器(入味検査装置、ウェイトチェッカー)
- H:巻き締後の缶を乾燥させる機器(ドライヤー)
※この他にも6パックホルダーを付ける機器や、缶をダンボールに詰める機器など色々と自動化できる設備がある。
巻締めが終了した缶をブルワリーに合わせて縦横無尽に走らせるのがこのコンベアである。この後に紹介する様々なPost-fill機器と統合させる、または接続するに当たり、このコンベアの役目は非常に、非常に大きい。何よりシーマーの巻き締速度や、その後のラインにどのような付属機器が登場するかに応じたコンベアレイアウトが求められ、この計算を誤るとコンベアのどこかで渋滞が起きたり、ライン全体が機能しなくなる未曽有の事態を引き起こす。弊社が見積りを作成する際、その他の付帯機器の有無や、将来の拡張予定まで聞く理由は正にここにある。充填、巻き締め速度、客先のレイアウトに応じコンベアの総合レイアウトをする重要性が伝わったなら幸いである。
Wild Goose Filling社製_パックアウトコンベア
【Wild Goose / Evolution Series用】巻締めが終わった缶をある程度の数量を留めて置くためのコンベアである。人手が足りないブルワリーでは出口に人を常時宛がうのは難しい。コンベアが缶で一杯に埋まるまでの間、別のタスクをこなすことが出来る。また、コンベアの終着点には缶が横4列に並ぶ幅があることで、ある程度溜まった缶をまとめてボックスに詰めたい場合なども非常に便利なのがこのコンベアである。
Ska Fabricating社製_コンベア
【Wild Goose / Evolution Series用】
Wild Gooseの出口に繋げ、巻締めされた缶を運搬するコンベアで一番アメリカで目にするのがこのSka Fabricatingのコンベア。重複になるが、彼らのコンベアレイアウトに関するノウハウは半端ではない。充填速度に応じた長さはもちろん、各後付けオプションの最も有効な組み合わせなどを提案し、レイアウトに落とし込んでくれる。
Pre-Fillの分野でも少し触れたが、ここでは実際の細かいラベラーの選択肢を見ていこう。
Primera社製_ラベラー「AP360」「AP362」
【Wild Goose / Gosling用】
簡易卓上ラベラーとして親しまれるこのシリーズ。日本での実績も多く、何と言っても省スペース。小型に見えるが機能は充実。足踏みスイッチを使えば両手を使い効率よくラベリング作業ができ、なんと1時間1200ラベルが可能な優れもの。最新の362シリーズはなんと表裏の二枚張りが可能。フロントのデザインラベルと背面の商品情報ラベルを分けて貼りたい方の需要にもしっかり答える。こちらも小田原のトレーニングセンターには実機を展示中。
Pack Leader社製_ラベラー「ELF-50」
【Wild Goose / Gosling、Evolution Series両用】
Gosling、Evolution Series両方のモデルと一緒に使われる人気小型卓上ラベラー。Evolution Seriesと結合する場合、WG-3(3本ノズル)までがELF-50のラベリングスピードが追い付ける限界となる。ラベラーを購入する際、まず検討しなければいけないがラベルの向きである。使うラベルが巻かれる向きによって、使用するラベラーの型式が変わってくる。ブルワリーのスペース、オペレーションの動線などを考慮しこの向きは決定される。ELF-50の魅力的なオプションの一つとして「ホットスタンプ」がある。これは缶に巻かれるラベルに事前に日付印字をするオプションである。(缶上ではなくラベル上。)使用予定のラベルを送って頂ければ、ラベルのデザインに応じたスポットに印字が可能かどうかをアメリカ工場で事前にチェックすることも可能。ラベルを大量購入したあとに事前に設けて置いた日付印字箇所に印字が出来ないとなった事態を避けることが出来る。
Pack Leader社製_ラベラー「PL-501」
【Wild Goose / Evolution Series用】
Evolution Seriesの5本ノズル、WG-5のスピードにおいても卒なく捌くラベリングスピードを有するのがこの「PL501」である。WG-4以上をご検討でラベラーを希望の方にはオススメであり、特にラベラー単独で使う場面も検討している方には適している。缶詰めラインの直後に接続し、そのまま流れ作業の一貫としてラベリングすることはもちろんだが、パストリゼーションやその他の工程を挟んでラベリングをしたい場合などは、ラベラー自体が全体のラインから逃がせるということも重要な着眼点となる。
In-Line Packaging Systems社製_ラベラー「Paradigm 700シリーズ」
【Wild Goose / Evolution Series用】
社名についたインラインの名の通り、ライン上のコンベアの中にラベラーを組み込むことが出来るのが最大の特徴だ。要はコンベアの途中にラベラーを組み込み、コンベアベルトでラベラー自身のベルトも担うことが出来る。ラベラー自体に駆動モーターが不要になるという点が魅力であり、言うまでもなく価格を下げることが出来る。そして、コンベアとラベラーの結合部分でよく見られる缶が倒れてしまう問題や、つまずき問題を一切気にしなくていいのもメリットの一つである。Pneumatic Gripper Spin という機能も搭載されており、ラベルが透明な場合でも卒なくラベルをすることが可能。
Pre-fill(充填前)でも少し触れたが、日付印字のほとんどは、やはりPost-fillで行われる場合が多い。重複になるが、入身の足りてない缶などに印字してしまえばインクや資材の無駄使いに他ならない。缶に巻かれる前のラベルに印字するか、缶底、ショルダー(ヘリの部分)に印字するかによって選択肢が変わってくる。
Pack Leader社製_デートコーダー「ホットスタンプ」
【Wild Goose / Gosling、Evolution Series両用】
少し前述でも説明したが、缶に巻かれる前のラベルに予め日付を印字する方法である。ホットスタンプという名の通り、数字の金属刻を組合せ高温で熱し、インクリボン越しにラベルに押し付けることでラベルに希望の数字列を焼き付ける方法である。日本では「焼印」と呼ばれている。瓶や缶の本体にはもちろん焼き印がつけられないので巻かれる前のラベル上のみとなる。安価で取り付けられるのがメリットとして挙げられる。
Markem - Imaje社製_デートコーダー「モデル:9450」
【Wild Goose / Gosling、Evolution Series両用】
フランスに本社を置くマーケム・イマージュはクラフトビールの日付印字の場面でアメリカではもっとも見られるインクジェット式デートコーダーである。十分すぎる程の印字オプションがあり、最大五行に渡る文字&数字列の印字が可能。日本語ももちろん対応しており、日付以外の洒落たメッセージを打つことも出来る。解像度が高い印字機能だけでなく、高速で流れる缶にも打ち損じることなく印字が可能。日本でも複数台実績があり、サービス拠点も東京にあるので安心である。Post-fillの日付印字は缶の底かショルダーと呼ばれるヘリの部分にされるのだが、コンベア上を走る缶の底に一体どうやって印字するのだろうか。そこで活躍するのがSka FabricationのD.I.C.Sである。
Ska Fabricating社製_日付印時用コンベアー「D.I.C.S(Date Inline Coding System)」
【Wild Goose / Gosling、Evolution Series両用】コンベア上を流れる缶をあえてコースアウトさせる機構が備わっている。缶がコンベア上をコースアウトしている時に缶底またはショルダーめがけて日付印字をすることが出来る。印字する直前にエアーを吹きつけ缶表面の水滴を飛ばし、打ち損じや滲みの原因を解消することが出来る。コンベア付帯の専用ブラケットもMarkem-Imageのインクジェットの角度を微調整できるようになっているので安心。ホットスタンプとの最大の違いはこのD.I.C.Sコンベアとモデル:9450デートコーダーをラベルとは引き離し、単独で運転できる点である。ホットスタンプの場合、違うラベルを使う際は日付の組合せも入れ替えなければいけないが、日付印字とラベリングが別工程とで出来ることで作業の段取りに融通を効かせることが出来る。これは思いの他大きな違いである。
完成製品が既定の入身に達しているかを計測することは言うまでもなく重要である。一体どのような選択肢があるのか見て見よう。
「防水スケール」
【Wild Goose / Gosling、Evolution Series両用】マンパワーがあるのであれば1缶ずつこちらに乗せて軽量することも可能だ。しかし、ほぼ1人の人間が、100%この工程に割かれることになる。
Filtech社製_入味検査装置「Low Fill Detector」
【Wild Goose / Evolution Series用】
コンベアの上を通る缶をX線の走るトンネルをくぐらせることにより、缶の中身の入味量を測定。規定量に入味が足していない缶を判定し、トンネルを出たあとに待ち構える押し出し機構により、コンベアラインから弾き出す。Filtech社のLow Fill Detectorの強みとして、コンベアーとエンコーダーで同期させることにより、コンベアのスピードが変化しても「判定→押し出し」のタイミングを自動で調整してくれる。コンベアのモーターと押し出しのタイミングを同期させるため、コンベアが早く回れば缶も高速にコンベア上を移動していると自動で認識し、判定→押し出しまでのタイムラグを調節する優れものだ。同じような機能の入味検査装置は日本製でもあるのでだが、常にコンベアの速度を一定にしなければいけないという制約が永遠と付きまとうことになる。Evolution Seriesを購入し、後にノズルの本数を増加した場合など、もちろんより高速なコンベアの回転速度が求められる。入身検査装置の設定値を変更するためにメーカーを呼ばなければいけない手間&コストを考えるとコンベアスピードと押し出し機能が同期が出来る入味検査装置をお勧めする。
Modular Automated Packaging社製_ウェイトチェッカー「Wild Goose Auto-Reject」
【Wild Goose / Evolution Series用(※Gosling用開発中)】
このM.A.P社はWild Goose Filling社と提携しており、なんとEvolution Seriesの出口にそのまま取り付ける事の出来るウェイトチェッカーを開発している。また、既存のEvolution Seriesにも後付けできる優れものだ。Evolution Seriesを使ったモバイルカンニング事業に長年従事していたトニー(CEO)が「あったらいいな」を自ら開発し、Wild Gooseに売り込んだ代物。コンパクト&低コストが最大の売りである。
ポストリンスで濡れた缶をより一層しっかりと乾かすための機器がドライヤーである。Wild Goose Fillingのポストリンスにはエアナイフ機能も付いているが完全に缶を乾燥させるには至らない。少しでも乾燥させるべくトンネル状のカバーの中で、様々な角度からエアブローで缶を乾かす。
Republic Manufacturing社製_ドライヤー
【Wild Goose / Evolution Series用】
専用のエアナイフからコンベアを通る缶の両サイド&上部からエアーが吹き付けられる。騒音が気になる場合、防音サイレンサーのオプションもお手頃価格である。エアナイフが効率的に缶を乾かせるよう、専用のブラケット(エアナイフ固定金具)も弊社からコンベアを購入頂ければ取付可能。既にコンベアをお持ちの方でも後付けも可能。もちろんコンベア以外のあらゆる場面で使用するべく、様々なカスタム対応が可能です。
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一通りアメリカのクラフトビールのカニングシーンで見られる周辺機器を紹介させてもらったがいかがだったであろうか。日本とアメリカの二つの国において、たくさんのカニング現場を見てきた私だが小中規模缶充填における設備のラインナップはもちろんのこと、充填現場での細かなノウハウなどアメリカは日本の遥か先を走っていると日々痛感する。ブルワリーの数が10倍以上あり、自家醸造も1978年に解禁されている国なので当然と言えば当然なのかもしれないが、現場ノウハウを広めていくのも重要な一つの使命だなと考えている。
まずはお気軽に御見積り依頼をお送り下さい。
小田原研修場開校
2022年5月、神奈川県小田原市、小田原駅から徒歩7分、Wild Goose Filling製、小型缶充填機「GOSLING」の研修場を開校します。また、同社の別製品である、Evolution Series(WG-1~WG-10)をご使用・ご購入予定の皆様も調節方法には似通った点が多く色々と参考になる点が多いと考えます。二重巻締の品質管理は非常に難しく、問題が起きた翌日に技術者を派遣できるサービスが提供できない以上、ユーザー様自身がエンジニア力を付けること、そしてその手助けをすることが弊社の辿り着いたソリューションとなります。充填が出来なければタンクは玉突き渋滞を起こし、生産計画にも支障をきたします。実機を惜しみなくいじれる環境を設け、ユーザー様のエンジニア力の向上に貢献し、とにかく機械に慣れて頂くことをこの施設の目標とします。※今後ご購入を検討されており、実機を見てみたい方なども2022年5月より見学受入れ可能です。駐車場有。ご希望の方は コチラ よりご連絡下さい。