2016年度アメリカのクラフトビール市場数字まとめ

2017年4月01日

2016年度アメリカのクラフトビール市場数字まとめ

カウボーイクラフトの眞壁です。

3月の北カリフォルニア/ベイエリアはというと異常なまでにダラダラ続いた連日の雨をようやく抜け切り、なんとなく暑さが厳しくなってきました。

できればこのくらいの気温を維持して欲しいのですが、もうすぐ鬼のような猛暑の日々がきっと来るのでしょう。

嫌だぁ~・・・。ビール飲み過ぎて太っちゃう・・・。

さて、2017年3月28日にBrewers Association(通称BA)が昨年度のアメリカのクラフトビールマーケットを総括したデータを発表しました。

「Brewers Associationってなんぞや」っと思ったあなたのために説明します!

Brewers Association(通称BA)とはアメリカの小規模で独立しているクラフトビールブルワリーとブルワー、ビール愛好家のための非営利団体でアメリカで造られるビールの99%以上をBAの会員が手掛けているというとんでもない団体である。

World Beer Cup(ワールドビアカップ)、Great American Beer Festival(グレートアメリカンビアフェスティバル)をはじめ多くの巨大イベントを手掛ける団体としてもその名を馳せている。

イラストでわかりやすく説明されているのですが更に分かりやすく解説していきたいと思います。

データ引用: Brewers Association

All information is courtesy of the Brewers Association.

1. ボリュームシェア

アメリカ クラフトビール 市場

2016年、アメリカに出回ったビール全体に占める、クラフトビールの割合。

2016年のボリュームシェアは12.3%

2015年の12.2%から見ると伸び率は少ないと思いきや、この数字のデータには今回よりLagunitas(ラグニタス)、Ballast Point(バラストポイント)、Founders(ファウンダーズ)など日本でもよく知られる大御所ビッグブランドブルワリーはカウントされていないからです

ラグニタスにいたっては単独でも生産量においてアメリカ第5位を誇る大規模ブルワリー。

そんな大御所の数字を差し引いてもシェア率を伸ばしているのはまだまだ市場全体が成長している証。そして驚きの一言です。

これらの大御所ブルワリーは大手ビール会社に買収されてしまったことにより、Brewers Associationの定めるクラフトビールの定義、【独立していること】に該当しなくなったためと言われています。

市場規模、生産量

クラフトビール アメリカ 市場

$23.5 billion

・・・235億ドル

・・・・・2兆3500億円?!

電卓の桁数が振り切ったのでググったわ!国家予算とかで見るようなすごい金額!

2015年より10%増加

そしてビール市場全体に占めるクラフトビールの割合は21.9%.(アメリカのビール市場全体は$107.6 billion)まだまだ勢いは止まりませんね!

そして、生産量では2015年に比べ6%アップ!これももちろん買収されたLagunitas(ラグニタス)、Ballast Point(バラストポイント)、Founders(ファウンダーズ)はカウントされていない数字となります。

生産量の推移

クラフトビール 市場 生産規模

24,570,469バレル(約29億リットル)

※ちなみに東京ドーム一杯は12億4,000万リットル

2016年度、ブルワリーの数

クラフトビール アメリカ 市場規模

クラフトビール アメリカ 市場規模

5,301醸造所(2015年比:17%増加)

内訳:

1,916 ブルーパブ(2015年比:11%増加)

3,132 マイクロブルワリー(2015年比:21%増加)

186 中堅規模ブルワリー(2015年比:4%増加

67 大型、その他に分類されるブルワリー

ついに大台の5,000軒を突破。相変わらず増えております。

新規ブルワリー開業&閉業数、雇用人数推移

クラフトビール アメリカ 市場規模

2016年度開業ブルワリー数:826

2016年度閉業ブルワリー数:97

1日に2件以上新たに設立されている計算。

2016年度雇用者数:128,768人(2015年比5.7%増加)

まとめ

数字で見るとアメリカのクラフトビール市場はいまだに伸びていることがわかる。

一方でBrewers Associationのチーフエコノミスト:Bart Watsonは2014年に「アメリカ全土のクラフトビールのシェア率を20%にまで引き上げる」と発言したことについては、Lagunitas(ラグニタス)、Ballast Point(バラストポイント)、Founders(ファウンダーズ)をはじめとする大御所ブルワリーの買収劇を経て、彼ら大御所の数字をカウントできなくなったことが直接の原因かはわからないが、改善の余地があるかもしれないとも言及している。

アメリカでは小規模ブルワリーが名を馳せると大手が買収するという流れが一般的。日本が大きく違う点は2015年より大手各社がクラフトビールを自社で造り始めていることである。

大手ビールが約98%のシェア率を誇る日本。この先もクラフトビールが市場にもたらす影響には目が離せません。




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