アメリカのクラフトビール事情:定義がややこしいと思うあなたへ

カウボーイクラフトの眞壁です。

今日お話したいのはクラフトビールの定義について。

いつになく真面目なお題目。

クラフトビールに関連したウェブサイトではまず間違いなく見かけるその定義についての記述。

何を隠そう私もブログを書き始めた頃に「そもそもクラフトビールってなに?」というコテコテのタイトルのブログの中で定義についてふんわり書いています。

アメリカのクラフトビール業界のドン、ブルワーズ・アソシエーションによるとクラフトビールの定義だけでなく、マイクロブルワリーとナノブルワリーの定義なども一応言及されている模様。

「定義なんて気にしなくていいのでは?」というのが私の本音なのですが、予想以上に気になる方が多いようなのでまとめてブログにしてみました。

クラフトビールを楽しむ上で定義を正しく理解する必要もないと思うので「へぇ~そうなんだ。」程度のご参考にしてください。

例のごとくブルワーズ・アソシエーションの定義を引用しますがあくまでもご参考までに。

【クラフトビールとは小規模である、独立している、伝統的であるブルワリーである。】

An American craft brewer is small, independent and traditional.

原文引用:Brewers Association

All information is courtesy of the Brewers Association.

アメリカのクラフトビールの定義その1:小規模であること

アメリカ クラフトビール 定義

「小規模」の条件とは年間生産量が600万バレル(約7億リットル)までとされています。

1バレル=117リットルなので約7億リットル

※東京ドーム1杯は12億4,000万リットル

ちなみに20111月までは200万バレル(2.4億リットル)までとされていいたので、今後も変更される可能性は十分にあると言われています。色々と政治的な力もあったりなかったりとの噂。

要するに、東京ドーム半分以上の量を製造しているとクラフトビールじゃなくなるということ。

原文:Craft BrewerSmall

Annual production of 6 million barrels of beer or less (approximately 3 percent of U.S. annual sales). Beer production is attributed to the rules of alternating proprietorships.

アメリカのクラフトビールの定義その2:独立していること

アメリカ クラフトビール 定義

次の条件の「独立していること」とは、そのクラフトビールを造っているブルワー(醸造関係者)に含まれない酒造産業の関係者がその醸造所を所有、管轄(または経済的に決定権を有するに同等の権利を有する)場合は、その割合は25%以下であること。

要するにそのブルワリーの関係者以外の人の資金力が25%以下でなければいけないということ。

原文:Independent

Less than 25 percent of the craft brewery is owned or controlled (or equivalent economic interest) by an alcohol industry member that is not itself a craft brewer.

アメリカのクラフトビールの定義その3:伝統的であること

アメリカ クラフトビール 定義

最後の「伝統的であること」については、そのブルワリーが製造する大半のビールはその香りの元となる要素が伝統的かつ、革新的な原材料と発酵手法から由来していること。FMBs(風味麦芽飲料)はビールとみなさないと定められている。

要するに、昔ながらの製法と材料に工夫を凝らしてビール造っていて、モルトの香りはずるして後から付けてはいけないということ。

原文:Traditional

A brewer that has a majority of its total beverage alcohol volume in beers whose flavor derives from traditional or innovative brewing ingredients and their fermentation. Flavored malt beverages (FMBs) are not considered beers.

マイクロブルワリーとナノブルワリーの定義について

マイクロブルワリーもナノブルワリーもその言葉の通り、どちらも小さめのブルワリーの総称である。

アメリカのクラフトビールの定義:マイクロブルワリー

アメリカ クラフトビール 定義

マイクロブルワリーとは年間15,000バレル(176万リットル)以下の製造量かつ、その75%が製造場以外で消費されているブルワリーを指す。

また、マイクロブルワリーは以下のいずれかの形態で販売しているブルワリーを指す。

伝統的な3段階層販売システム

ブルワリー → 卸売業者 → 小売業者 → 消費者

2段階層販売システム

卸し機能をブルワリーが包括 → 小売業者 → 消費者

直接販売システム

ブルワリー → 消費者

※消費者がブルワリーを訪れてタップルーム、レストラン、持ち帰り購入などの方法によってビールを消費する形態

原文:Microbrewery

A brewery that produces less than 15,000 barrels (17,600 hectoliters) of beer per year with 75 percent or more of its beer sold off-site. Microbreweries sell to the public by one or more of the following methods:

the traditional three-tier system (brewer to wholesaler to retailer to consumer); the two-tier system (brewer acting as wholesaler to retailer to consumer); and, directly to the consumer through carry-outs and/or on-site tap-room or restaurant sales.

アメリカのクラフトビールの定義:ナノブルワリー

アメリカ クラフトビール 定義

マイクロブルワリーよりも小さい規模のブルワリーをナノブルワリーと呼びます。

結果から言うとブルワーズ・アソシエーションによるナノブルワリーの明確な規模の定義はされていません。

アメリカの最大級のクラフトビールニュースサイトCraftBeer.comの記事を引用し、あくまで指標までにご紹介させて頂きます。

ナノブルワリー

3~4バレル以下(350リットル~470リットル)くらいの規模で醸造している*ホームブルワーが大規模に醸造したようなスケールのこと。

*ホームブルワー:自宅でビールを造る人達。

原文:How Small are Nano-Breweries?

My working definition is three barrels or less, which essentially makes them large-scale homebrewers,” said Jeff Alworth, author of the Portland-based beer blog Beervana.

Whether you call them nano or not, the fact is, the Brewers Association, the Colorado-based organization that represents craft breweries, does not have an official definition.

と、こんな感じにまとめてみましたが先述したようにあくまでブルワーズ・アソシエーションの定義に過ぎません。

日本とアメリカでは人口も違えばビールの消費量、ビールを造るための免許の取得難易度も違います。

もっと言えばアルコールを分解する能力も日本人は白人や黒人に比べると低いことが証明されています。

あくまでご参考までにお読み頂ければ幸いです!

引用サイト一覧

BREWERS ASSOCIATIONhttps://www.brewersassociation.org/

CraftBeer.comhttps://www.craftbeer.com/


アメリカンクラフトビール雑記

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