ブルワリー開業、醸造機器の選び方/How to select brewing equipment

2019年9月20日

ブルワリー開業、醸造機器の選び方/How to select brewing equipment

醸造機材の選び方

クラフトビールの醸造機器を買うにあたっては気を付けなきゃいけないことって数多くありますよね!

ここでは購入する前にしっかり押さえておきたいサイズ、タンクの数、熱源の種類、どこで買うかなどをかいつまんで紹介します!

醸造のプロセスについてはかなりザックリ説明しておりますのであしからず。

あくまで機材の購入にあたり考慮した方がいい大枠のみ紹介させていただきます。

色々な名前のタンクが登場しますが、要は水がビールになるまでに連続して通過する鉄製の容器の総称です。

あまり難しく考えず、ホームブルーイングでクーラーボックス使ったり、やかん使ったり、お風呂に氷貯めたりしてやっている工程をガチでビジネスでやるとこんな感じになりますくらいに思って下さい。

醸造に必要なタンクの選び方

ブルワリーを開業するに当たっては大きな複数のステンレス製のタンクが必要になります。

まず、温水を用意するための「ホットリカータンク」。

(「リカー」はお酒のことではなく、醸造に使用する水のことです。念のため。)

そこで温められた水は「マッシュタン(ラウタータン兼用)」というタンクに移され、のちにこのタンク内で麦芽と混ざりマッシングが始まります。

ビールの「素」となる麦汁をつくる麦芽の糖化(マッシング)です。

タンパク質をイーストの栄養分であるアミノ酸に分解することのできる酵素を活性化させることと、でんぷんをイーストが発酵可能な糖に分解する酵素を活性化するという目的があります。

ややこしいので「麦でおかゆを作るの巻」と覚えて下さい。

クラフトビール 機材選定 Ssbrewtech 醸造設備

次にその糖化された麦汁は麦芽カスと分別されマッシュタンの隣にあるボイルケトルに移動されます。

そこでガスによる直火、スチーム(蒸気)、電気のうちのどれかの熱源によって熱せられ麦汁は沸騰させられます。

ここでホップ(特別な材料するレシピの場合はその材料)を追加。

その後、沸騰した麦汁を急速に混ぜることで、液体と固形物とを分離させます。(固形物とはホットブレイクでできたタンパク質凝固物や、ホップカスなど。

マッシュタン(ラウタータン兼用)と、ボイルケトル(ワールプール兼用)は大体隣り合わせに置かれ、その間に階段とプラットフォームが設けら人が上がれるようになっております。

そうすることでタンク内を上から覗き見ることができ、直接中の麦汁の状態を確認し、必要に応じて原料を追加することができます。

  • ラウタリング:糖化された麦汁と、麦芽カスを分けること。
  • ワールプール:ホットブレイクでできたタンパク質凝固物や、ホップカスを次の発酵容器に移さないで済むようにまとめること。

この一連の仕組みを総称してブルーハウスと呼ぶことが多いです。

醸造所が拡大していくにつれ単独のワールプールタンクを設けたり、ラウタータンを設けたりします。

各タンクのこなす役割を細分化することで醸造の効率が上がり、より多くのビールを醸造できるようになるというわけですね!

クラフトビール 機材選定 Ssbrewtech 醸造設備

ボイルケトルでの煮沸が終わると麦汁は冷却されて、発酵用のタンク(Unitank、Fermenter)に移されます。

そこでイーストを投入されイーストが麦汁の糖分と、栄養素であるアミノ酸を使って、アルコールをつくりだす発酵が数日~数週間かけて行われます。

発酵タンク内のイーストの活動によりアルコールが発生した後はブライトタンクへと移動、ここでは冷却させてビール中に残っている細かい不純物をタンクの底まで落とします。(今度どっかで詳しくまとめます。)

ブライトタンクとは熟成タンク、貯酒タンクとも呼ばれます。

これでようやくビールはケグや缶、瓶にパッケージングして出荷できる準備が整うのです。

クラフトビール 機材選定 Ssbrewtech 醸造設備

タンクサイズの検討

日本の多くのスタートアップのブルワリーは400L(3.5 BBL)程の設備とそれに見合った発酵タンクを揃えてのスタートが主流です。

1パイントが473 MLなので400 L= 845パイント分となりますね。

このサイズですので電気を熱源としたブルーハウスの問合せが多いのも現実としてあります。

もしくは1 BBL(117 L)のシステムをダブルバッジで稼働させ、酒造免許の条件に見合った量を醸造するといった具合でしょうか。

新しいブルワリーがブルーハウスのサイズを決めるに当たっては経営方針や、ビールの売り方、醸造所のスペースなどとの兼合いが非常に難しいと言われています。

大き過ぎる設備でのスタートとなってしまうと初期費用が嵩む上に、走り出しの次期での1回の醸造の失敗が大きな痛手となってしまいます。

一方で、小さ過ぎる設備でのスタートでは需要に供給が追い付かなかったり、ホップの使用効率が相対的に落ちるので原材料コストが高く付いてしまうことがあったりします。

よく初めから大きな設備を入れた方がコストパフォーマンスは良いと聞くことがあるかと思いますが、まずは初心にかえり一つ一つ確認してみることが重要だと考えます。

まず、当たり前のことなのですがブルワリー設立予定地の物理的なスペースは十分かどうかを確認しましょう。

アメリカでは入口から入らずに天井に穴をブチ開けて入れることも多々あります。

クラフトビール 機材選定 Ssbrewtech 醸造設備

※写真は入らなかったので天井を開けてブルーハウスを入れたやんちゃなブルワリー。

また、もし将来的に追加の発酵タンクやブライトタンクを置くスペースがないのであれば、大きな機材の導入から入るの当然賢明ではないと言えます。

そして、高さも要注意。

特に発酵タンク、ブライトタンクが機材の中でも最も高さがあるものになるのですが、これらを斜めに傾けても高さに余裕があり、搬入できるようなスペースを確保することが重要です。

輸入商材であればパレットに乗っているのでその分の高さもしっかり計算に入れましょう。

アメリカの大きなブルワリーでは天井が開くようにして、上からタンクを搬入することもあります。

一方、小さめのブルーハウスから始め、発酵タンク、ブライトタンクの容量をブルーハウスの製造キャパシティーの倍のサイズを用意するという方法もあります。

これらの倍のサイズの発酵タンク内は常にビールで一杯である必要はなく、需要の低い時期はタンクは半分程度の容量を使用、需要が高い夏場などはダブルバッチでぶん回し、タンクを丸々埋めていくという方法があります。

(発酵槽のジャケット部分がタンク全面をカバーしているかは要確認。)

この手法をとれば、いざビジネスを拡大したい時に新たに追加のタンクを購入するよりも大幅にコストを節約することができます。

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必要なタンクの数

おおよその目安としては醸造を始めてから2~3年は追加する必要のないくらいの発酵タンク、ブライトタンクを購入しておくのが良いでしょう。

次の式を使うことで、年間の最大醸造ボリュームを計算できます。

発酵タンク数 × 発酵タンクの容量 = 同時発酵可能容量

年間総仕込み日数 ÷ 平均発酵所要日数 = 年間サイクル回数(全タンク入れ替り周期)

同時発酵可能容量 × 年間サイクル回数(全タンク入れ替り周期)= 年間総醸造量

ざっくりと計算をするのであれば、全体の80%はエールの醸造(発酵期間が短い)、20%はラガーの醸造(発酵期間が長い)、そして大体年間50週間(350日)醸造していると仮定するといいでしょう。(休暇やメンテナンスを考慮して。)

あくまでアメリカの例を引き合いに上げているので日本のビール製造現場に見合った算出式が他にもあるはずです。ググってみて下さい。

ちなみにこれはビールをローテーションするのに十分なブライトタンクがあるという前提の計算となります。

もし、同時に様々な種類の生ビールを置きたいのであればブライトタンクと発酵タンクは同じ割合で用意するといいでしょう。

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熱源の種類

ホットリカータンク、ボイルケトルを温める熱源の種類は大きく分けて3種類です。(直火、電気、蒸気)

直火(Direct Fire)

タンクの外を直火で温めることで、熱をタンク中の液体に伝導するタイプ

メリット :最も安価に導入が可能。少量醸造の場合には最も適したオプション。

デメリット:熱伝導にムラが出てしまい、麦汁を焦がす原因になることもある。空気中に熱が逃げてしまうため熱の伝わり方が非効率。10バレル(1170ℓ)以上の醸造規模には向いていない。

関節直火(Indirect Fire)

比較的新しい手法で、炎が別の容器を温め、熱しられた空気がタンクの周りにあるジャケット(隙間)に浸透し、中の液体を熱するタイプ。

メリット :こちらも安価で導入可能。ムラのない醸造が可能。

デメリット:電気、スチームに比べるとまだ効率は低い。こちらも10バレル以上の醸造にはあまり向いていない。

電気

家庭用湯沸かし器と同じ仕組みで、大きな電熱ヒーターエレメントがタンクの中に投入されている。

メリット :スチームより安価。非常に効率的に熱伝導を行える。静か。

デメリット:場合によってはガスよりも電気の方が高くつくことも。3相電源の工事が必要となる場合もある。(電気代が高い。)こちらも10バレル以上の醸造には向いていない。

スチーム

15バレル(1760ℓ)以上の醸造規模を検討しているブルワリー向けではスタンダードタイプ。別のボイラーで水を熱し発生させたスチームをタンクの周りのジャケット内に循環させてタンク内の液温を上げる方法。

メリット :比較的効率的で温度が上がるまでの時間が早い。

デメリット:最もコストがかかる。別のボイラーの購入が必要。ボイラーのメンテナンスが必要。

機材メーカーの選択

醸造容器を販売している機材メーカーは多数あります。

ただ、実際に容器を自社生産している会社は多くありません。

多くは中国や他の国から輸入しているのです。

自社生産を行わないことでコストを抑えられるものの、デザインの質、素材、造りが大きく異なってきます。

もし機材を輸入しているサプライヤーを選ぶ場合は、アメリカのエンジニアを採用し、しっかりと製造現場を管理、監督している、そして確固たる自社デザインを持つ会社を選ぶようにしましょう。

海外より輸入をする場合は購入の前に電気配線の基準が自分のブルワリーに合うこと、その詳細が英語で記載されていることを確認するのも重要です。

もちろん輸出入にかかるコストや船積み、通関のリスクなども配慮する必要がございます。

現在のアメリカのクラフトビール機器業界では、アメリカ国内でデザインされ、アメリカ国内生産であることに最も重きを置いています。

アメリカは特に食品関連機器に使用する鉄の基準が厳しく、造りもしっかりしております。

溶接に関しても専門資格を持つエンジニアを抱えているメーカーがほとんどであり、しっかりとクオリティコントロールがなされています。

それゆえ設備価格は他国製に比べ少し上がってしまいますが、安価な物に手を出し買い換える手間やコストに比べれば安く、必要な投資であると言えるでしょう。

溶接は良し悪しによっては目に見えない隙間や継ぎ目を生み出し、雑菌が溜まる元凶を生み出します。

洗浄、殺菌が95%をしめるビール作りに関しては出来るだけ滑らかで洗練された溶接が必要と言えるでしょう。

また、購入の前に必ず製造メーカーの評判はチェックしましょう。

直接聞けば既に納入済みのブルワリーを教えてもらえるので個別で連絡を取り見に行くのも手段です。

  • どんな注文が過去にあったか
  • 実績機材の件数
  • 遅延などの納期問題はあったか
  • サプライヤーとのコミュニケーションは円滑に行えるか
  • またこのサプライヤーから購入したい方はいるか
  • ポジティブなレビューが多いかどうか

まとめ

今回はアメリカの機材選定に関しての記事を紹介してみました!

日本ではもちろんサイズ感なども違うので参考になるところだけかいつまんで下さい。

色々な国で作られた醸造機器を使って作られるクラフトビール。

それぞれ一長一短あるかと思います。

しっかりと下調べし、周りのブルワリーへ相談した上で自分の満足のいく醸造機器を是非ご購入下さい!

アメリカ製醸造機器、持ってこれます!

はい!ここでガッツリ宣伝です!

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