「小さなブルワリーを始めたいと思っています。」
ホームブルーイングをアンダーグラウンド、または海外で経た方々からの相談を受ける時、必ず上がるアメリカの醸造機器メーカーがある。
それが、今回片道7時間の運転、愛車のトランスミッションがイカれた末にようやくたどり着いたこのメーカー、Ss Brewtech。
「Engineering Better Beer/確かな技術でより良いビールを」がスローガンのSs Brewtech。
「その技術でまず俺の車のトランスミッションを直してくれ!」という言葉をかろうじで飲み込んだ眞壁であった。
職人の確かな技で高精度な醸造機器を世界中のブルワーのために開発するだけでなく、発明することをミッションに掲げるSs Brewtech。
2013年の発足から数々の革新的な醸造機器をリリースし、アメリカ全土のブルワーからプロ、アマ問わず絶大な信頼を寄せられている。
プロのブルワーが使う高精度な醸造機材をホームブルーの庶民市場に介入させたのがSs Brewtechの大きな特徴である。
ブルワーの抱える課題をあらゆる面から解決し、アマチュアとプロの垣根をなくし、アメリカでは主流の醸造機器メーカーにまでのし上がった。
プロブルワー水準の技術に触れられることは、河川敷をポルシェで走るような斜め上の陶酔感をアマチュアブルワーにもたらしてくれる。
Co-Founderであるカートさん(Curt Kucera)に迎えられ、まずは同社のおひざ元ブルワリーであるRefuge Breweryで実機を見ながら世間話。
住所 | 43040 Rancho Way, Temecula, CA 92590 |
---|---|
アクセス | (ロサンゼルス空港より車で約90分) |
ウェブサイト | https://www.refuge.beer/ |
営業時間 |
火曜~木曜:15:00am~21:00pm 金曜~土曜:12:00pm~21:00pm 日曜 :12:00pm~19:00pm |
※各SNSではここで紹介しきれなかった写真もいっぱいアップしてますので是非チェックしてみて下さい!
アメリカのクラフトビールの最新情報も随時更新しています!
そびえ立つSs BrewtechのタンクがひしめくRefuge Brewery。
ここでSs Brewtechの商品に必ずとも言っていいほど記されている「304」という数字。
市外局番と思ったら大間違いです。(思わねーよ。)
これはステンレスのタイプを示しており、304はクロムとニッケルを成分に含むオーステナイト系ステンレスの代表格。
他のステンレスとの比較で見た場合、大気中での耐食性、耐酸性、耐孔食性、隙間腐食への耐性といった錆や腐食に強い点がまずポイントが高い。
また、高温強度、高温酸化、高温硫化、低温強度、低温靭性といった高温や極低温の双方の環境で耐熱性と強度を維持する性能を持っており、常温でも疲労、切欠感受性に強いといった強度面でも優れている。
要するにブルーイングには持ってこいってことです。
ここでSs Brewtechの代表商品を3つ紹介します!
BREW BUCKET
このBrew Bucketこそ、Ssbrewtechがその歴史の中で最初に開発した醸造機器である。
彼ら自身がホームブルワーとして長年抱いていた「なぜ安価な304ステンレスの発酵槽がないのか。・・・ちきしょうめ。」という疑問に自ら答えを出したのがこの製品である。
プラスチック容器の発酵槽でビールを発酵させているプロのブルワーがいないように、発酵槽において衛生面でステンレスに勝る材質はない。
ガラス製と比べても割れ欠けの点で安全性が高いのも、このステンレス製のポイントである。
円錐型のボトムデザインはラッキングの際、沈殿物の混入を最小限に抑えるようにデザインされている。
加えて、回転式ラッキングアームで沈殿物をかわし、効率よく簡単に最後までビールのラッキングが可能だ。
BREW BUCKET仕様
- Conical base with rotatable racking arm
- Stackable during fermentation - saves space
- ⅜” Mini ball valve for transfers and gravity samples
- Wide lid with secure spring clamps
- 17mm port in lid for ½” blow off tubing
- Welded carry handles
- Etched volume markings gals/liters
- Patent pending
サイズ一覧
- 3.5 gal (直径27.9 cm x 高さ40.6 cm)
- 7 gal (直径31.7 cm x 高さ52.1 cm)
- 7 gal BME (直径31.7 cm x 高さ52.1 cm)
- 14 gal BME (直径40.6 cm x 高さ60.1 cm)
*BME: Brewmaster Edittion
CHRONICAL FERMENTER
Brew Bucketの次に開発に着手されたのがこのChronical Fermenterである。
底部分の排出バルブからはもちろん再利用のイースト回収が可能。
コニカルデザインでビールとイーストの接触も最小限に保つようデザインされており、主発酵、後発酵共にこのタンク内で行うことができる。
また、蓋の形状をドーム状にしたことから圧力か均一に逃げ、1~2psiの圧力下でのトランスファーも可能になっている。
その他にも回転式ラッキングアームや、分解&丸洗い可能なボールバルブ、各種TC(Tri-Clamp)部品などブルワーの強い味方になること間違いなし。
本製品に関してはSs Brewtechは各サイズ共に通常の仕様のものと、「Brewmaster Edition(通称BME)」の2パターンを用意している。
CHRONICAL FERMENTER BME
両者とも発酵槽のタンクボディー自体は変わらないのだが、後者のBME仕様はより本格的なブルワーをターゲットにしており、以下の追加オプションが備わっている。
通常仕様
- Pro brewing geometry
- ¾” dump valve and ½” racking valve
- Rotatable racking arm
- Domed lid with secure spring clamps
- Integrated PRV
- Etched volume markings gals/liters
*FTSS後付け可能
Brewmaster Edition
- Pro brewing geometry
- Custom tooled compact butterfly valves
- FTSs-ready side mounted chiller coil
- 3” TC lid port (accessories available)
- Integrated pressure relief valve
- Cone mounted sampling port
- Neoprene insulation jacket
- Etched volume markings gals/liters
- LCD temp gauge
- Threaded inserts on leg bottoms (⅜”)
英語で書いてもチンプンカンプンなので何が具体的に違うかさらっと紹介しておきます。
バルブ
通常仕様のボールバルブにかわって、バタフライバルブが使われている。
この両者のバルブはどちらもリキッドタイト&締りが良く、とっても使いやすいのですが衛生面よりバタフライバルブを採用。
完全に内側を洗浄、除菌できる筒内デザインからBMEではこちらのバタフライバルブを起用。
バルブ内に洗浄が行き届かないスペースがわずかにでもあれば、流しきれなかったイーストやバクテリアを野放しにしてしまう結果となり、ビールの品質にも大打撃を与えてしまう。
また、バタフライバルブは分解する手間がなく誰でも簡単に丸洗い洗浄することが可能だ。
大幅に時間を節約できるだけでなく雑菌対処にも優れておりまさに一石二鳥なのである。
その筒内の完全密閉デザインを確立しているバタフライバルブだが、欠点はその値段。
製造に精密な切削、研磨加工を要求されるためコストが嵩んでしまうのである。
バタフライバルブは弁を開いた状態でもセンターに仕切りがあるのでトランスファーの際、そこに不純物が引っかかることもある。
また、発酵中のビールのグラビティーを頻繁に確認したいという要求には、3/8"(0.95cm)のサンプルバルブを搭載することにより答えている。
このサンプルバルブはイーストや沈殿物の上層に位置しており、綺麗なビールサンプルを毎回取り出すことが可能。(通常仕様にはサンプルバルブはありません。)
蓋部分
見た目からわかるもう一つの大きな違いとしてドーム状の蓋上部にしっかりと溶接された直径3"(7.62cm)の口輪である。標準仕様では1.5"(3.81cm)。
この口輪の直径拡張によってあらゆることが可能になっている。
その①
CIPスプレーボールの搭載。
CIPとはClean-In-Placeの略で、写真で見るとこんな感じのスプレーボールになっております。
先端のボールが回転し隙間から噴射されるPBW(Powdered Brewery Wash)などの洗浄剤をタンク内に均一に満遍なくまき散らすことにより、手で洗浄するよりも圧倒的に早く、浮いた時間で発酵槽をより効率的に稼働させることができる。
その②
スチール-ブローオフ-ケイン(Blow-off Cane)の装着可能。
炭酸排出をチューブではなく、カチッとステンレス製の管で固定してしまうことでブローオフ周辺の配管のわちゃわちゃ、タンクを動かす際の煩わしさを一気に解決。
もちろん衛生面も向上している。
その③
単純に直径が大きいので色々な物が入れやくなっている。
ドライホップの際のホップ投入やフルーツ投入、キャンディーシロップなども楽々投入可能。
その他、標準仕様で使える機能はもちろん引き継いでおり、ガスの圧力を使ったクローズドトランスファーもその一つ。
ご存知、ビールをコニカルタンク内から押し出しケギングする際に有効な方法である。(ビールを酸素に触れさせることなくケギング可能。)
1.5"(3.81cm)の標準サイズの口輪向けのアクセサリーをお持ちのユーザーは口径を調整する「TC Reducer」を使って全て引き継ぎ使用が可能。
かゆいところに手が届きますね!
チラーコイルとジャケット
もちろん外見だけでなく見えないところだってレベルアップしてます!
まずは垂直に溶接されたチラーコイル。
ビールをより効率よく冷却するためにタンクのセンターを陣取っている。
FTSS(Fermentation Temperature Stabilization System)なしの標準仕様の場合、温度を下げるためには発酵槽ごと冷蔵庫の中に入れる必要がありました。
(※標準仕様にチラーコイルを後付けしたい場合、別売りで可能です。)
また、今までFTSSにはチラーコイルとネオプレンジャケットを常設付属パッケージでしたが、ポンプは別売りでした。
しかし、現在FTSSをオプション搭載する方には専用のポンプとコントローラーもセットでお届け。
ここでさっきからちょくちょく登場する、FTSSについてようやく説明します。
FTSS(Fermentation Temperature Stabilization System)とは簡単に言うと発酵中のビール温度を調整するシステムです。
クオリティーの高いビールを生み出すにはこの工程での温度調整は必須。
様々なブルワーの現場の声をSs Brewtechが長年拾い集め開発に及びました。
シンプルな仕組みですがその確かな働きはプロ、アマ問わずブルワーより高い評価を集めている。
Chilling & Heating(Chillingのみ選択可能)
高性能コントローラーを使って、ターゲット温度から±1℃以内という驚異の誤差範囲で正確に発酵中の温度調整が可能。
もし、設定温度より1℃でも液温が上回れば、即座にチラーの循環が始まり設定温度まで液温を下げてくれます。
その逆に設定温度を1℃でも下回った場合はヒーターを稼働させ液温を上昇させてくれます。
CHRONICAL FERMENTERサイズ一覧
- 7 gal (直径35.5 cm x 高さ83.8 cm)
- 14 gal (直径38.1 cm x 高さ91.4 cm)
- Half bbl (直径45.7 cm x 高さ93.9 cm)
CHRONICAL FERMENTER BMEサイズ一覧
- 7 gal (直径35.5 cm x 高さ83.8 cm)
- 14 gal (直径38.1 cm x 高さ91.4 cm)
- Half bbl (直径45.7 cm x 高さ93.9 cm)
- 1 bbl (直径55.8 cm x 高さ121.9 cm)
そして最後にご紹介するのが、Ss Brewtechの真骨頂であるこちらの製品。
UNITANK FERMENTER
ホームブルワーとプロのブルワーの境界線をなくすべく開発された発酵槽、ユニタンク!
高い技術で衛生面に優れた溶接をされているTCコネクションが可能にするプロ水準の技術。
もちろん全てTCコネクション!
TCとはTri-Clampの略称でアメリカ全土のブルワリーとワイナリーでほぼ100%採用されている継手の仕様の相称である。
ネジ山がなく、手締め可能。そして何より洗いやすい点から衛生面に群を抜き特化している。
上部の蓋裏に垂直に取り付けられたコイルチラーによってクラッシング冷却も可能。
- Fully welded TC flanges
- Combination 3” TC dry hop, CIP, and PRV port
- 3” TC cap with PRV
- 1.5” TC carb stone with 3/8” ball valve
- 1.5” TC blow off cane with welded blow off arm mount
- 1.5” TC to ½” ball valve for blow off cane
- 1.5” TC pro sanitary pressure gauge
- 1.5” TC pro sanitary sampling valve
- 1.5” TC thermowell with LCD thermometer
- 6” (8" on One bbl) TC lid with fully welded chiller coil
- Neoprene insulation jacket
- Butterfly valves with racking arm
- Stainless lower shelf
- Adjustable feet
Ss Brewtechのユニタンクではカーボネーションストーンを使ってビールをカーボネーションさせることができます。
内圧計も付いており、タンク内加圧を確認しながら進めることも可能。
また、耐圧構造が可能にさせるクローズドトランスファー方式により酸素に触れることなくグラウラーなどのサービング容器、ケグ、カウンタープレッシャーのボトルフィラー、製缶機へのトランスファーも実現可能になっております。
スパンディングバルブを使えば今流行りの加圧状態下での発酵管理もお手の物。
プロのブルワーがユニタンクを好んで使う理由がご理解頂けただろうか。
最後に、Ss Brewtechの全ての機材は安全面にも配慮されている。
出荷前にタンクの製造サイドより提示される推奨加圧数値の約4倍もの圧力をかけて安全テストをするのもそのためである。
と、まぁ、とりあえず代表製品をザックリご紹介いたしました!
Cowboy Craft LLCでは、Ss Brewtech製品全般の日本向けを輸出代行販売をしております!
✔ 日本向けに出荷してくれず断念した・・・。
✔ 通関で止まるのが怖い・・・。
✔ 英語がわからない・・・。
✔ 現地で検品作業を頼める人がいない・・・。
そんなお悩みを全て弾き飛ばし、ご指定の日本住所まで責任を持って確実にお届け致します。
商品によってはメーカーより、卸売り価格での購入も可能!
また、弊社のロジスティックにのせ日本に発送すれば個人で購入され、大手の運送会社に依頼するよりも格段にお安くお届けすることが可能です。
もちろんややこしい通関や書類業務など追加請求なく全て代行させて頂きます。
ガスケットのせいで通関で止まり、廃棄処分されることもございません。
まとめ
わかりやすく書くよう努めたこのSs Brewtechについてのブログも、最後の写真の「眞壁の髪型こうなってたんだ。」という感想により、内容は読者の皆様の頭から消し飛んでしまったことであろう。
それでもいい。
ただ、これだけは言わせて欲しい。
・
・
・
この髪型めっちゃ楽です。
2019年もよろしくお願いします!
もちろんビールも扱ってます!(^^♪
眞壁
2019年6月中旬よりホップ、イースト販売開始!
Now offering hops and yeast!
- ✔1袋から注文OK!
- ✔送料全国1280円~
- ✔冷蔵発送可能!
- ✔注文から約10日でお届け!
- ✔Order as little as 1 bag!
- ✔Refrigerated shipping available!
- ✔Shipping starts at ¥1,280!
- ✔Arrives in approx. 10 days!
6月中旬より受注開始予定です♪
Accepting orders starting mid-June.