RABBIT’S FOOT MEADERY
address | 1246 Birchwood Dr, Sunnyvale, CA 94089 |
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access | Reamwood駅徒歩6分 |
website | http://rabbitsfootmeadery.com/ |
business hours |
火曜~水曜:14:00pm~20:00pm 木曜~金曜:14:00pm~21:00pm 土曜:14:00pm~20:00pm |
※各SNSではここで紹介しきれなかった写真もいっぱいアップしてますので是非チェックしてみて下さい!
アメリカのクラフトビールの最新情報も随時更新しています!
今回のブルワリーはミード(Mead)を専門に取り扱っているブルワリー。
その名もRABBIT’S FOOT MEADERY(ラビッツ・フット・ミードリー)。
もちろんクラフトビールも造っています。ミードとは蜂蜜酒と呼ばれる蜂蜜を原料とする醸造酒のこと。
その歴史はワインやビールよりも古く、なんと14,000年前から存在した「最古のお酒」とまで言われております。
その発見のされ方もにもちょっとした逸話があり、山に狩りに出たハンターが、のどが渇き飲み物を探していたところ森のクマさんに荒らされてひっくり返ったのであろう蜂の巣に溜まっていた雨水を偶然飲んだとことが最初の出会いであったとも言われています。
想像して頂きたい。確かに美味そうではある・・・。
そんなこんなで行ってきました!IT系の企業を脱サラして起業、そして今はブルワリーを営むヘッドブルワーのマイクさん!
サラリーマン時代は日本にも出張しまくってたとのことで色々と話も弾みそうです!
さっそく目に飛び込んできたのは何と鹿児島の方便の解説が書かれた”のれん”!
想像の遥か斜め上からのお出迎えサプライズに驚きを隠せません!
きっとミードを山で初めて見つけたハンターもこれくらい驚いたに違いない。
そして、時代の最先端を突っ走るシリコンバレーのITプログラマーの客層もこの”のれん”の内容だけは中々理解出来ないだろう。
マイクさん!今日はお忙しい中お時間ありがとうございます!さっそくですが鹿児島行ったんですか?
IT企業で働いてる時に何度かな。その”のれん”は友人が買ってきてくれたんだ。
日本には本当何回行ったかわからない。ほとんど東京だったがな。NTTドコモや富士電機、日立などお得意さんは至る所にいた。
25年くらいはITの世界にどっぷり身を置いたな。このブルワリーだって1995年から開業したが、最初のうちは片足はIT業界に突っ込んだままだった。
本格的にビール造りに打ち込めたのは2001年からだったな。
25年ってめっきめきのITプログラマーじゃないですか。シリコンバレーのネット黎明期を支えた1人ってわけですね!
まぁそうなるな!ミードの歴史は25年どころじゃないけどな。色々な文献を見ればどこのいつの時代にもミードを発見することができる。
その土地によって呼ばれ方が違うのも面白い。ハーブやスパイスなども多く入れている地域もあり薬用に飲まれていたところもある。
とにかくその多様性は目を見張る。
薬用にも飲まれていたんですね!日本でも健康のためにプロポリスとか飲んでいる人いますもんね。
エチオピアの国民的飲み物はTEJ(テッジ)と呼ばれるミードだしな。本当にどこの文化にもミードは存在する。
ギリシャもローマも海賊ですら飲んでいた。しかも、農耕が始まる時代の前からミードは造れたからな。蜂さえ捕まえてくればいいんだからな。
なるほど。地球上どこの地域にだって蜂はいますもんね。
まぁどこの蜂か、その蜂が何を食べているかで全く蜜の味は違うんだがな。そう言えば日本の養蜂場の関係者も15年以上前にここに来たことがある。
日本向けに売るミードを造ってくれって頼まれたな。しかし、彼らの要望はかなり薬用に特化したもので何度か試作品は造ったが結局お互いの要望を満たせず破断になった。
マイクさんはミード業界では有名人なんですね!味を左右するのが蜂となると中々思い通りにはいかないんでしょうねきっと。
その通りだ。ずっと同じ養蜂場から蜂蜜を仕入れているんだがその年によって味が違うなんてよくあることだ。
その年のブドウの出来で決まるワインみたいなもんだ。仕入れのタイミングはもちろん、その年の降水量、その蜂がどれだけ働いたか、周辺にはどんな花が咲いているかなど全てが蜂蜜の味を左右する。
まぁしかし逆に言えばコントロールも可能ってことだ。例えば蜜にオレンジの風味が欲しければ南カリフォルニアにある30kmにも続くオレンジの農園で飼われた蜂の蜜を使うのさ。
そこではオレンジの花以外の蜜は一切存在しないからな。
なるほど。話がダイナミックですね。そういえば日本でも養殖の鰤(ブリ)にミカンの皮を上げて刺身にミカン風味を与える試みなどもされていましたね。
それは面白い試みだな。もちろんビール造りにだって俺はミード造りに負けないくらい徹底的にこなす。
素材にしたってそのビールのスタイルが生まれた発祥の地から取り寄せた物しか使わないしな。麦だろうがイーストだろうが素材には一切の妥協はしない。
俺達が使う原料はおそらくアメリカのクラフトビールブルワリーではあまり使われていないかもしれない。
徹底したこだわりですね!そういえばこの壁にかざってあるレストランのメニューは何ですか?
それはフレンチランドリー(The French Laundry)というレストランのコースメニューにうちのミードが使われた時のメニューだ。
えっあのフレンチランドリーですよね?!すごいな!素材へのこだわりが功を奏したってことですね!
※フレンチランドリーとは全米で1番予約が取れないレストラン。ミシュラン三ツ星を取り続けている世界が最も注目するレストランの1つ。2003年~2004年には世界のベストレストラン50で堂々の1位。数カ月待つことなど当たり前のとにかくとんでもないレストラン。
メニューに採用されたこともあって当時のマネージャーの時は電話1本すれば予約が取れたな。
世界1のレストランに顔パスってやばいですね!いや~すごい人に出会ってしまった。すみません、最後に日本のクラフトビールについてはどう思いますか?
正直クラフトビールはあまりわからないが日本のビールは全体的に好きだな。
出張で日本に行ってた時期もよく飲んだもんだ。昔は違ったが今では色々な種類があるとも聞く。
クラフトビールの勉強をしにアメリカに来る日本の職人も増えているらしいな。
そう言えば山椒の味のクラフトビール一度飲んだことがある。美味しかったよ。
山椒?!まだ飲んだことないですね!ともあれ今日はお時間頂きありがとうございます!ミードのお話も色々と聞けて大変勉強になりました!
まとめ
シンプルにただただ素材にこだわり続けるマイクさん。その年のその蜂がどこで何をどのくらい食べていたかで味が大きく左右されるミード造り。
ちなみに農業が盛んなカリフォルニアからもし蜂がいなくなればアメリカのフルーツの生産高の17%は消えてなくなるという。(受粉が出来ないため。)
そんな大自然を相手にしているマイクさんからはもはや仙人のようなオーラすら漂っていた。その人並みならぬ努力と素材へのこだわりはミシュラン三ツ星レストランの目にも留まり、見事メニューに採用された。
そんなマイクさんが造るミードは食事とも相性バッチリ。甘さにはしつこさが全く無く、とても飲みやすく口当たりは滑らかです。
まだ飲んだことがない人も多いミードですが、是非一度試してみて下さい。
その他アメリカのクラフトビールに関するブログも是非読んでみて下さい!