UNCOMMON BREWERS
address | 303 Potrero St. Ste. 40-H Santa Cruz, California 95060 |
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access | バス停Water & Ocean駅徒歩12分 |
website | http://www.uncommonbrewers.com/ |
business hours |
タップルームただ今建設中!(2017年完成予定) |
※各SNSではここで紹介しきれなかった写真もいっぱいアップしてますので是非チェックしてみて下さい!
アメリカのクラフトビールの最新情報も随時更新しています!
今回はサンタクルーズ(Santa Cruz)というリゾート地にあるブルワリーにお邪魔してきました!
サンタクルーズってどんなところ?と思い少し調べると人気のリゾート観光地の顔以外にも様々な一面があることがわかる。
超ザックリ定義すると色々な社会的活動が活発な地域と言える。
例えばマリファナを医療用に使うことをアメリカでも最初期に認めた地域であったり、戦争反対の姿勢を国に宣言したり、有名なフェニミズムの活動家ニッキ・クラフトが本拠地にしていたり、オーガニックブームで沸くアメリカの有機農業運動の中心でありカリフォルニア州認定有機農家の本部があったりする。
歴史的な話も面白い地域で、色々と堀り下げられるのだがそんな話はトリップ〇ドバイザーにでも任せてビールクズの自分は一路ブルワリーへ向かいます。
ヒッピー文化とか興味ある方にはとっても人気な地域。とにかく観光にはおすすめの地域です。
そして見えてきました!UNCOMMON BREWERS(アンコモンブルワーズ)!
もはや「Uncommon:一風変わったと」いう社名からすでに攻めの姿勢が伺えます。
実は過去に日本にも輸出したことがあるこのブルワリー。残念ながら自分は日本で巡り会うことが出来なかっただけに期待が高まります。
自社配送車もあります!
早速ヘッドブルワーでありオーナーでもあるAlec Stefanskyさんにお話を聞いてみます!
こんにちは!いい街ですねサンタクルーズ!海に面している地形がどこか地元小田原を彷彿させます。
よく来てくれたな!そうかそうか!気に入ってくれて何よりだ!
早速ですがお話を聞かせて下さい!大学生の時からクラフトビール造っていらっしゃるんですよね!ホームページに書いてあったのを見ました!
ははっその通り!1996年からだからかれこれ20年も前だな!・・・えっ!もう20年も経つのか!恐ろしいな・・・。大学のキャンパス内にあった学生アパートで醸造していたのが懐かしいよ。
自動化が進んだ工場内
学生アパート内ってまた凄い所で造っていましたね!私もちょっと前にホームブリューイング(自家醸造)で初めて自分でクラフトビールを造りました!
・・・全然おいしくなかったです笑。一応写真とか全行程撮ったのですがブログにする気すら失せる茶番に終わりました。笑
まぁ最初はそんなもんさ。繰り返し続けるしかないのよこればっかりは。失敗を繰り返す内に気付く部分をいかに次に活かすかが全てさ。
家族や親戚に時期に自分好みのレシピに辿り着く。
はい!頑張ります!そういえばテイスティングルームを開設予定なんですよね?むしろ今までなかったんですね!
そうさ!2007年から今までテイスティングルームなしでやってきたからな!どでかい施設を建設する予定だ!154席、フードも提供する。
バレルエイジングのための倉庫もついでに増設するぜ!
154席!?かなりデカイ箱になりそうですね!やはり*バレルエイジングには力を入れられているんですね!樽かなり貯蔵されていますもんね!
*バレルエイジング:バーボンなどが醸造された樽を再利用してビールを熟成する製法。樽に染みたバーボンのお陰で独特の香ばしさ、濃厚さがクラフトビールに加わる。アルコールは高め。
バレルエイジングは本当に奥が深い。美味いバレルエイジングのサワービールに巡り合った時、その味の裏にあるテクニックや苦労を俺は感じることが出来る。
偶然で出来た味ではなく、長年のデータをもとに緻密に計算された血の滲む努力の集大成ともいえるサワービールと出会った時は本当に感無量になる。
ここら辺ならロシアンリヴァー(Russian River Brewing)のサワービールも俺はおすすめする。
あのロシアンリヴァーですね!まだ飲んだことないですね!是非飲んでみたいです!やっぱり造ったことがあるブルワーにしかわからない味わい方というのがあるんですね!
自分は「酸味があって美味しい!」くらいしか思えないのが本当に悔しいです笑。
まぁでもそんな程度で俺はいいとも思うけどな。昔、エイジビールコンテスト(熟成ビールコンテスト)にも応募したことがあるんだが、返ってきた評価シートには「熟成さが感じられません」って書いてあったよ。
”熟成さ”ってのは飲んだ人によって感じ方が違う。酸化したようなオフフレーバーでも飲み手によっては”熟成さ”と感じられてしまうことだって俺はあると思うんだ。
まぁつまり頭でっかちに考えるよりもまず楽しめるってのは大切だと思うぜ。
ありがとうございます!なるほど。”熟成さ”って確かにかなり曖昧な表現ですもんね。審査委員の個人さもきっとありますよね。
奥が深い。あと、ここUncommon Brewersの最大の特徴とは何だとお考えですか?
ん~・・・これは良くも悪くもとらえられる点だが俺達の造るクラフトビールのほとんどにはスパイスの効いた食材を使っている。
日本でも人気のワサビだってバンバン使う。香りにはこだわりたい。それが好きな人もいれば、ちょっと・・・って人もいるなぁ。
あとは地元の物を出来るだけ使うようにしている。ホップにしても最近また近所の農園でホップ栽培が再開されてね。
少人数でやっている小さな規模の農場だが迷わずそこのホップを使っているよ。もの凄く新鮮だ。もちろんホップ丸ごとビール造りに使っているよ。
地元のホップを使っていたんですね!地産地消に勝る鮮度ってないですもんね!確かに!一風変わった香りを感じるビールで自分は飲んでいてワクワクしますね!
左から
・Japonica Pils 5.2%
・Flamenco Roja 6.6%
・Long Form Tripple 10.3%
*Long pepper(ヒハツ)入り※ヒハツとは、コショウ科のツル性木質植物。 果実はコショウに似た風味を持っており、コショウと同様にスパイスとして利用される。)
・Baltic Porter 7.8%
*Licorice and anise(リコリスとアニス)入り※リコリスとはスペイン甘草、アニスは古くから香料や薬草として利用されてきたセリ科の一年草。要するに2つともパンチが効いている原料。
初めて俺のクラフトビールを飲んだ人が新しい味わいや香りに驚いて目玉を真ん丸に見開いて「美味しい!」って言ってくれるようなクラフトビールを俺は造り続けたいんだ。
あとは例えば、お客さんにどんな物がビールに使われているかを伝えるとするだろ?「実はこのビールにはワサビが使われています。」とかね。
するとワサビという言葉に身構えてお客さんはテイスティングをする。きっと強烈な辛味が来るんだろうとお客さんは予想しながら飲むわけさ。
でも実際に一口ビールを飲んでみると、「・・・あれ、辛くない。美味しい!」と満面の笑みで言ってくれる。その瞬間が俺の最高の喜びなのさ。
なるほど!確かにアメリカに来たての時にはワサビやハラペーニョが使われているクラフトビールを飲む度に度肝を抜かれていたことを覚えています。
でもおっしゃる通り、結局全然美味しいんですよね!何というか、Alecさんエンターテイナーですね!ちなみに日本のビールについてはどう思いますか?
日本のビールはクラフトビールに限らず好きだね。アサヒ、サッポロとかよく飲むぜ。ビール造りに限らず俺がすごいと思う日本の点は常に完璧を求める姿勢だ。
ビール造りにおいても全ての工程でパーフェクトな方法を導き出すために頭から血が出るくらい考え込んでいる。
それと1年半くらい前(2015年頃)にサンフランシスコで常陸野のヘッドブルワーと通訳を介して少し話す機会があったのだがとても興味深かったよ。
ベアードビールやコエドも俺は大好きだね!驚くべき味わいだ。あと何を隠そう俺は日本のウィスキーの大ファンなんだ。
何かそんな風に言ってもらえると自分のことのように嬉しいですね!え、ウィスキーですか?!自分はあんまり飲まないのですがどんなのが好きなんですか?
日本にいたのに飲まないのか?!もう少しビールを飲み続ければいつかお前にもウィスキーの良さがわかるだろうよ。はははっ。
俺が特に好きなのは山崎だな!もうたまらなく好きだ。
でも確かに日本にいた時も海外の友達は目の色変えてウィスキー工場見学してましたわ。いやぁ~色々なお話ありがとうございます!とても面白かったです!貴重なお時間を感謝します!
まとめ
本編では触れなかったがリサイクル可能な*One Way Kegをアメリカで最初に導入したのも実はこのブルワリーである。(*Kegとはビール樽の通称でOne Wayが片道、すなわち卸した先からの返却が不要なスタイルのビール樽を指す。
今では海外向け輸出には欠かせない存在となっている。)まさに、何かと特徴的な活動で知られるこのサンタクルーズならではの面白ブルワリーであった。
「Uncommon:一風変わった」の社名の通り、面白い食材、スパイスを使ったクラフトビールが多く、中でもワサビ入りのピルスナーは絶品であった。
アルコール度数が高めの商品も数多くあるのだがうまくその度数が隠されていて飲みやすくなっている。
2017年の2月には154席の巨大なテイスティングルームも完成予定なので是非サンタクルーズへの旅行も合わせて訪れてみて下さい!
その他アメリカのクラフトビールに関するブログも是非読んでみて下さい!